凡   例

[月 日]
  放送年度は、4月第1週月曜日から始まる。なお昭和39年度(1964)は、FM放送(まだ実験放送とよんでいた)での再放送が土曜日にあった。つまり本放送の6日後の土曜日である。本書では紙面の関係で、FM放送日を省いた。FM放送単独で放送されたのは、昭和40年(1965)3月27日の1回だけである。
   
[発 局]
  この番組は、大部分東京制作、東京発で放送していた。それ以外には、大阪、名古屋、札幌が参加していた。地名はそのことを示す。
   
[作 曲]
  作曲家名を放送順に記載。特殊な例として、作調、節付、編曲が数例あるが、いずれも作曲欄にいれた。また合作は、複数楽章の内の一つの楽章を作曲している場合で、放送時に合作として連名で発表されたものである。
   
[作詞 他]
  通常は作詞者の名前だが、なかには作詩、作、構成、短歌、俳句などの例があり(  )内に記載した。その他、民謡、子守唄、謡曲、閑吟集なども記載し、出典を明示した。
   
[作 品]
  原則的に、作曲者の表記にしたがった。作品によっては、後年改題することがしばしばある。備考欄を参照されたい。なお標題については、「  」のついていない作品もある。楽譜、プログラムの表記を尊重したが、索引での検索を考慮し、あきらかに標題とおもわれるものにも「  」をつけた。
   
[作曲年]
  作曲した年月以外に、改作、編曲の年月も記載した。
   
[委 嘱]
  委嘱した個人、団体、NHK などの表記をした。NHK の地名のないものは、すべてNHK 東京の委嘱作品であるが、すべてが「現代の日本音楽」の委嘱ではない。
   
[演奏時間]
  演奏時間表示は、放送局でつかう′″は見えにくくなるのをおそれ、分のみを:で表示することとした。(例 4:05=4分5秒)。時間計測は、放送テープにおける計測と、地方発の場合はエアチェックを基本とした。多楽章の作品については、便宜上ラップタイムの合計時間とし、楽章間ポーズに数秒を加算した。また再録音して放送したもので、計測記録の記入がないものについては、最初の放送データからの推定時間とし、ラテン語でおよそを意味するc.(= circa )をつけた。(例:c.4: 00 =約4分)。また、上記いずれのデータもないものは、レコードの時間などを参考にして、c.のあとに時間を記入した。
なお、レコードとあるのは、レコードによる放送をあらわす。使用レコード番号は、備考欄を参照されたい。
   
[演奏者]
  楽器のパート別は、1、2、3などの数字をつけた。
(例:1箏・・・第1箏)
洋楽器については紙面の関係上、略記号を小文字で表記した。なおその日本語表記は、楽器編成欄に片仮名で記載した。
演奏者の順については、確定表を基準としたが、多少のバラつきがある。当時、まだ定型化していなかったので、本書作成の段階で、洋楽の慣行例を参照しつつ、若干の手入れをほどこした。現在でも必ずしも定型化されてはいない。
   
[解説者、座談等]
  当該放送日に解説を依頼した出演者。顔ぶれは、音楽評論家、日本音楽研究家、作曲家、演奏家など。解説者のない放送は、担当ディレクターの原稿をアナウンサーが読んだ。
   
[楽器編成]
  作品の楽器編成を知るための欄。歌も合唱も朗読もふくめた。
日本楽器名は、原則的に作曲者の記載にしたがった。
三絃と三味線については、作曲者の指示以外は、箏曲系演奏家の使用する三味線を三絃とし、それ以外は三味線と表記した。例外として、杵屋正邦作品では、すべて三絃と表記されている。作曲者の意図を尊重し、この語をつかった。
多絃箏の表記については、十七絃、二十絃箏、三十絃、が通例となっている。
   
[備 考]
  番組の補完情報欄。標題付き作品の各楽章の標題、番組の副題、演奏会の中継録音記事、レコード会社名と放送で使用したレコード番号、芸術祭参加や受賞者記録、作品の改題と旧題、などである。